どんな地域も愛でていたい〜ディープスポット巡り部誕生〜
人間の価値観を形成するのは環境と感情が大きなウエイトを占めるけれど、さらなる個性を築きあげていくのにはコンプレックスという要素が大きく影響してくる。人はみな大なり小なりコンプレックスを抱えて生きていて、そのコンプレックスがそれぞれの人間味を豊かにする。時にそれは人を優しく築き、また大きく歪んだ価値観を形成していくこともある。
ケンゴ。彼もまた歪んだ価値観を持った男であった。人は皆彼のことをこう呼ぶ。「ケンゴ」。彼の名前である。
彼は川崎という街に生まれ、駅前のホームレスと共に育った。
優しい男であった。コワモテの外見からは想像もつかないほど、彼は優しかった。
雨の日に傘もささずに歩いている老人を見かければ、後ろからそっと自分の傘を差し出す。もちろん自分は雨に濡れている。
そのコワモテがコンプレックスだったのかは知らないが、それはそれはすこぶる優しすぎて「川崎の至宝」「ホームレス街の神童」と噂されるほどであっただろう。知らんけど。
そのコンプレックスと生まれ育った環境から、彼は歪んだ価値観を形成した。駅前にホームレスがいると安心感を覚えるという。
彼は僕が足立区に引っ越すことを喜んだ。川崎と似た香りがする街であると。駅前にホームレスがいたら優しくするようにと、口酸っぱく言われ続けた。
最近はテレビをつけると「青山ブランド」という言葉が世間を賑わせていますが、ケンゴにとって「川崎ブランド」こそ価値があり、その価値観から見れば青山という土地は圧倒的な欠落があることだろう。
価値観というのは人それぞれ異なるのだから他人がとやかくいうものではない。土地に対する共通のイメージはあるかもしれないけれど、実際に住んで感じることは人ぞれぞれ違ってくるのだ。
「住めば都」という言葉があるように、どんな地域にもその土地特有の良さがあり、左右はあっても上下はない。「青山」は「青山」であり、「川崎」は「川崎」なのだ。良し悪しを頭で判断しているうちは本当の幸せは掴めない。
批評家の小林秀雄はこう言った。
西洋へ行ったことがない人が、西洋の本を読み西洋について論じる。知識というのはそういうものだと考えている。(直感を磨くものより引用)
知識人というのは、自分で足を動かし感覚を用いて何かを得てきた人種ではない。頭の中だけで生きている人間。だからこそ浅く薄っぺらいのである。
机上の空論、絵に描いた餅、妄想童貞・・
かくいう僕も、もちろん浅く薄っぺらい妄想童貞人間である。
薄い人間。サガミオリジナル以上に薄っぺらい人間。このままでは薄すぎて破れてしまうんじゃないか・・・そんな危機感をここ数年感じていた。
僕は住んだことのない地域に対する勝手なイメージを人一倍強く持っていた。川崎なんて恐ろしすぎて近づきたくもないし、足立区なんて絶対住みたくない。足立区に住んだこともないくせに、そんなことを思っているのは妄想童貞人間の妄想童貞人間たる所以である。
住みたい街・住みたくない街
皆さんも一度は耳にしたことがあるだろう。「白金」「恵比寿」「広尾」または「自由が丘」「吉祥寺」「二子玉川」
東京の住みたい街ランキングで上位常連の地域だ。地域界のレアルマドリード!優秀な人材が勝手に集まってくる、誰も文句を言う人間のいない満場一致の横綱。
オシャレなイメージがあり、そこに住んでいることが一種のステータスのような錯覚に陥る場所でもある。
ちなみに白金の家賃相場はワンルーム9万8千円(参考元:SUUMO)
港区民の平均年収は1023万円だという(参考元:総務省課税状況調べ)
では反対に住みたくない街ランキングの上位常連はどこか知っていますか?
きっと「足立区」「葛飾区」「蒲田」「小岩」あたりが連想されるのではないでしょうか?
ちなみに僕は今年の3月に都内に引っ越してきた。その場所は先ほども少し話しに出てきたように「東京在住が選ぶ住みたくない街ベスト10」で、栄光の第1位に輝いた街・・
綾瀬!!(足立区)
第1位。なんとも光栄であるが、いかんせんまだ引っ越ししてきたばかりの身だから喜ぶに喜べない。それほど思い入れがあるわけでもない。むしろ近付きたくもないと思っていた場所である。
2006年〜2009年まで4年連続で犯罪件数トップの座を防衛するという快挙を成し遂げた足立区。近年は低迷していたが、2017年に再び王座を奪還した。

東京新聞(lhttp://www.tokyo-np.co.jp)より転載
その他にも23区における学力ワースト1位、子供の虫歯割合ワースト1位、平均年収ワースト1位など、数々のタイトルを総なめにしてきたlowest of tokyo townなのである!!
しかーし!!
実際に住んでみた身として一つ言わせていただきたい。
口コミで書かれている「駅前が独特の臭い」「あまり綺麗ではない」「喫煙者が多い」というのは僕もそう感じているし、実際に週末には所狭しと駅前でもんじゃパーティーが開催されていた形跡を目にする。
だけど引っ越してから9か月。
移住する前にイメージしていた「足立区感」をまだそこまで感じられていない・・
なんていうか、こう・・もっと物騒なイメージだったけど、そういった現場を目撃したこともなければ、自分自身が危険な目に遭ったこともない。道路のあちらこちらで喧嘩が勃発していて、公園は血の海・・金属バッドを片手にしたパンチパーマの中学生が駅前でタバコをふかす。そんな一世代前のイメージに反して、足立区は今日も平和です。いや、まだ本当の意味での「足立区」に僕は足を踏み入れていないのだろうか。
ディープスポットに足を運びたい
僕は昔からくだらない価値観を持った人間であった。それこそ横浜のチベットであり、治安の良い村ランキング横浜市1位(根拠はありません)の若葉台という村で生まれ育ったこともあるからか、ヤンキーへの耐性はゼロ。そして村のコンプレックスから、お洒落でシャレオツな住宅街に、便利で利便性のある商店街を兼ね揃えた街に憧れを持っていた。東急沿線。城南地区。僕の憧れはそこだった。
そんな妄想童貞人間、極薄サガミオリジナル佐々木も、移住したからには足立区を楽しもうと意を決した。
しかしこの辺には友達がいない。生粋の足立区民と仲良くなって遊んでもらうしかないのか?しかしヤンキーへの耐性はゼロ。足立区感満々のサンドウィッチマン伊達みたいな人は道を歩けば必ず出くわすけれど、仲良くなれる気がしない・・
そんな時、前回の記事(破天荒で物腰の柔らかい「世界のカキザワ」との関わりで見えた恋愛の掟)で紹介した“世界のカキザワ”からありがたい連絡をいただいた。
「せっかく引っ越して来たなら下町のディープスポットを堪能しましょうよ!」と。
世界のカキザワ。日本どころか、世界のディープスポットに足を運び、ホームレスとも仲良し。危険な目に遭いすぎて全身性感帯と化し、そして性感帯を手放した男。その圧巻の経験とレスラー体型な見た目からは想像もできないほど、物腰が柔らかく優しい心を持った世界のカキザワ。うん。サイコーのパートナーや♡

学生時代、学校間の抗争にも参戦していたという世界のカキザワ氏
ヤンキー耐性ゼロの僕にとって、彼のような優しい心を持った強い人間はボディーガードのように心強い存在であり、そして底のない自身の体験から出てくる言葉の深さは、追いかけるべき背中を見せてくれる存在でもある。
そんなカキザワ氏は学生時代に、学校間で行われる抗争にも「体格が良くて強そうだから」という理由で頭数に入れられ、とりあえず相手を威嚇するように遠く安全な場所から睨みつけるだけという重要な役割を担っていた。
そんなカキザワ氏からのありがたい一言で誕生した足立・葛飾ディープスポット巡り部。
第1回の活動(金町編)報告はまた改めて書きますが、第2回の開催も年明け早々に決定しました。
開催地は、住みたくない街ランキングで栄光の1位!週末は道端でもんじゃパーティーが開催される街、綾瀬です!
もんじゃパーティーを開催しているということは、体の中では内臓が悲鳴をあげているということであり、
内臓が悲鳴をあげているということは、自律神経も乱れまくりな訳であり、
自律神経が悲鳴を上げているということは、それに対して適切なケアをしていく必要があるわけです。
年末年始は暴飲暴食が続く時期ですので、皆さんも自律神経の適切なケアをしながら体調管理をして乗り切りたいですね!
ということで・・
本日発売!!
世界のカキザワ氏の著書「心と体がらくになる 自律神経の整え方」
著者のカキザワ氏はもちのろんですが、執筆協力者の方々も僕が非常に尊敬しているセラピストばかりで、これはより一層読まずにはいられない!!早く届け!サンタさん!!
ということで届いたらまた感想も書きたいと思います!
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