パフォーマンスを高めるためのトレーニング〜レフ・ラフという概念を知りトレーニングに生かす〜

こんにちは。ささやんです。

今日はスポーツをしている人に読んでいただきたい記事。「そのトレーニングはパフォーマンスをあげるどころか、逆に落としてしまう可能性があるかもしれない」という話をしたいと思います。

前回の記事で僕はこのようなことを書きました。

コアトレーニングはガッツリやっているはずなのに、実際にはそのコアの機能が弱い選手も沢山います。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
どのようなことに気をつけてトレーニングをしていくことが大切なのでしょうか?
そう言った話が非常に重要になるのですが、本日は長くなってしまったので次回の記事に改めて書いていきますね。
そこで本日は、どのようなトレーニングが怪我の予防やパフォーマンスの向上に必要なのか?について、絶対に知っておきたい考え方についてお伝えします。

レフとラフ

いきなりですが、皆さんは「レフ」「ラフ」という言葉を聞いたことはありますか?
あまり浸透している一般的な言葉ではないので、聞いたことがない人も多くいると思います。
この言葉は武道家の高岡英夫氏が提唱している言葉です。
「ラフ」という言葉はスポーツの場面でも使われることが多いですよね。
「動きがラフになっている」「ラフプレーだ」などの言葉もよく用います。
この「ラフ」とは「粗雑である」という意味です。
動きがラフというのは、動きが粗雑であるということ。トレーニングをラフに行っているというのは、正しいフォームから逸脱してしまい、狙っている効果が得られにくくなることなどです。
その「ラフ」の対義語に位置付けられるのが「レフ」という概念です。
辞書などでは「ラフ」の対義語は「スムーズ」と紹介されたりも見かけますが、ここではその言葉を用いると伝えたいことのイメージが変わってしまうので用いません。そこで代わりに用いたいのが、高岡英夫氏が提唱している「レフ」という概念。
これはrefinedという言葉から「繊細」「丁寧」という意味で使われます。
トレーニングをレフに行うことで、狙っている筋肉にしっかりと収縮させたり、神経系を賦活化させてパフォーマンスの向上を狙うのです。
そして私の肌感ですが、多くのスポーツをしている人に当てはまるのが、トレーニングが「ラフ」になってしまっているということ。
怪我をしてしまう人はほぼ99%の人が(肌感ですが)、
学生スポーツをしている選手でも90%以上の選手が(肌感ですが)、
そしてプロでも本当に一部を除く選手たちが、トレーニングや練習を「ラフ」に行ってしまっているような印象を受けます(しかしプロの選手の方がやはり細かい部分にまで意識を向けてトレーニングしているとは感じます)
ラフになるというのは、自分の動きやすいように動いているということでもあります。(その動き自体が完璧に洗練されている場合を除く)
より洗練した動きを目指したいのに、自分の洗練されていない動きをそのまま繰り返しても、動きは洗練されません。雑な動きを繰り返し沢山練習することが果たして良い練習なのでしょうか?
練習はレフに行うことが大切です。よく「量と質はどちらが大事か?」という議論も聞きますが、質(レフに行う)を保ちながら量を行う。これが大切であることはまず間違いないでしょう。
武道の稽古などは、「無駄を削ぎ落とす=動きを洗練させる」に焦点を当てて質の高いものを追及しますが、スポーツの練習では根性論が未だに蔓延して質を蔑ろにしたものがまかり通っているという印象も受けます。

動きの癖とはどういうこと?

人間の運動には必ずその人の「クセ」があります。このクセとは、脳内の神経回路の強化によって出来上がっている運動パターンといった感じです。
例えば「字を書く」とした際に、自然と利き手でペンを持って何も意識しなくても、字って書けますよね。しかも人それぞれ個性がある。他人の真似をしようとしても難しいものです。さらには非利き手で字を書こうものなら、ぎこちなくて下手くそで・・・とてもじゃないけど書けませんよね。
それが「強化された神経回路のパターン」なのです。非利き手で字を書くというのは、新たな神経回路を作っていくようなもの。最初は全然何が何だかわからなくてぎこちないのですが、何度も繰り返すことで新たに回路ができてきて強化されます。
この神経回路のパターンというのがいわば動きの癖のようなものです。
「動きやすさ」で言えば、右手で字を書けば良いのです。しかし動きのバリエーションを増やさなければ、スポーツの場合は洗練されたパフォーマンスは発揮できません。先ほども書いたように、雑な動きを繰り返しても癖が強化されるだけなのですね。
人間の運動とは、脳内での指令に基づいて行われるものです。その脳内の指令は、神経回路という神経の通り道のバリエーションが規定するものでもあるのです。
利き手でしか器用に運動できない人と、非利き手でも器用に運動できる人は何が違うのでしょうか?それはこの神経回路のバリエーションが違うわけですね。
非利き手でも器用に運動できる人とは、神経の通り道が豊富に存在しているわけです。そのため運動のバリエーションが多い。様々なパターンの運動を実行できるわけです。
反対に例えばですが、脳卒中で脳に障がいを抱えてしまった方は麻痺が起こります。これは神経の通り道が障がいされてしまったため、上手く運動の指令を伝達できないという側面もあるのです(障がい部位によって色々なパターンがありますが、ここでは割愛します)
脳卒中のリハビリでCI療法というものがありますが、これは残された脳内で新たに神経回路を作り上げていき麻痺した側の動きを再獲得するという治療になります。
動きを洗練させるには、脳内の神経回路が豊富で運動のバリエーションが沢山あることが重要なのです。
少ない神経回路のパターンの人ほど、運動のバリエーションが少なくて「動きの癖が強い」ということになります。癖の強さは「慣れ」であり、「慣れ」と「洗練」とは持って非なるものなのですね。なので闇雲に練習の量をこなしても、”癖のある動き”が強化されて慣れるだけなのです。洗練した動きを獲得するには、自身の癖を排除しながら取り組みたいところです。

動きを洗練させるには?

ではどうすれば、動きの癖を改善させて運動のバリエーションを増やすことができるのでしょうか?
それがやはり「レフ」にトレーニングをしていくことです。そしてそれは自分一人では中々難しいこともあります。なぜなら自分の癖とは自分では気づきにくいからです。
できればパーソナルトレーナーなどに指導してもらうことが理想ですが、部活をしている学生さんなどはそれが難しいとも思います。
自分一人で行う場合は、目的を明確化すること!これに尽きるのです。
例えば前回の記事で述べたコアトレーニングを例にしましょう。コアトレーニングの目的は「コア(体幹)を強化すること」であり、コアを強化する目的は「姿勢保持を安定させること」であり、姿勢保持を安定させる目的は「余計な力をアウターマッスルにかけないこと(前回の記事参照)」です。
つまりコアトレーニングを正しく行うためには
・アウターマッスルに余計な力を入れない
・姿勢を正しく保持する
・インナーマッスル(コア)が適切に収縮している
という目的が遂行できているか?が大切になるのですね。
一般的に言われている回数やセット数というものの根拠が私には分かりません。そこを目的にしてしまうことで正しいやり方が崩れてしまったら本末転倒だと思うのです。
例えばプランクの運動を30秒間保持というメニューがあったとします。これは本当にくだらないトレーニングであり、15秒間しか保持できない人にとっては残りの15秒間はアウターマッスルを使って代償させなければならない質の低いトレーニングになりますし、30秒間余裕で保持できる人にとっては現状維持のトレーニングにしかなりません。
そうです。人は代償動作を使って運動をなんとか遂行させようとすることができます。これが人間の優れた部分でもあり、また厄介な部分でもあります。
特に赤ちゃんの頃はできることが限られているので中々代償させることは難しいのですが、大人になれば様々な身体機能が発達しているので様々な代償を用いて運動を遂行できるのです。
さて、ここでまた重要なヒントが出てきました。
みなさん気づきましたか?
「赤ちゃんは代償させることが難しい」ということ。
何やら意味深ですかね?
ここにコアトレーニングのヒントが隠されているのですが、これを話すとまためちゃくちゃ長くなるので、それについてはまた改めて記事にしようと思います。
なので今回の記事のまとめとしては
動きを洗練させるには、慣れない動きに意識を繊細に向けながらレフにトレーニングしましょう!ということ。
人間の脳と神経回路というのは、道のないところに道をつくるようなものです。慣れない動きを繰り返すのは、「この道で合ってるのかな?」と手応えもなく迷子になりながら歩くようなもの。それを何度も反復することで、段々と足跡が道になり、再現性が出てきて運動のバリエーションが増えるのです。

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