「障害」なのか「障がい」なのか

『「障害」の「害」の字はイメージが悪く障害者差別につながるので、「障害」の表記を改めるべき』という意見がある。そして実際に最近では表示を変更している媒体も多く見かける。

こういった意見に対して、全国の20歳代〜60歳代以上の方々に行ったアンケートでは以下のような結果になったという。(2010年4月実施 N=9000)

そう思う:21.9%
そう思わない:43.0%
どちらとも言えない:35.1%

この結果を男女別で見ると、「そう思う」と答えた割合に男女差はないが、「そう思わない」と答えた割合は男性の方が高く、「どちらとも言えない」と答えた割合は女性に高かった。

 

また、障害者の方々の中には『「障害」との表記で定着している』『不都合を感じていない』さらには、『障害者にとっての障害は社会や人々の意識の中にあるものである』などの理由で表記を改める必要はないとの意見もあります。

この意見に対して、同様にアンケートを行った結果

そう思う:42.6%
そう思わない:19.8%
どちらとも言えない:37.6%

という結果になった。さらにこの傾向は若い年齢の人ほど「そう思う」という結果が多く、年齢が高まるにつれて「そう思わない」という意見が多くなる傾向にあるという。

 

このアンケート結果を見る限りでは、「障害」という表記のままで良いのではないかという意見が多い。その意見は特に若い人に多く、そして男性に多いことが見てとれる。

また女性は「どちらとも言えない」という意見が男性よりも多く、結論づけるのに慎重であることも伺える。男性は白黒ハッキリさせたがる動物的本能があるのだろうか。

 

なぜ若い人に賛成の意見が多いのだろうか?
裏を返せば、なぜ年齢が高くなるにつれて反対意見が増えるのだろうか。これは「害」という文字に対するイメージの違いから来るものなのだろうか。

若い人ほど当事者たちの声を尊重しているという一面があるのだろうか。

年齢が高くなるほど、文字が及ぼす影響を懸念しているのだろうか。

本当のところは分からないが、一般的には若者の方が頭が柔らかく、高齢になるにつれて頑固になると言われる。であるならば、高齢になるほど文字を変えたがらないんじゃないの?と考えるのが自然だと思うが、実際はそうではない。

おそらく、「障害」という概念・文字に対して様々な差別のあった時代を生きてきたからこそ、そう考える人が多いのではないだろうか。

 

 

僕自身の考えも、「害」の文字を変えることには賛成である。
なぜなら今も書いたが、文字の与える影響は非常に大きいからだ。

この世界は認識されて初めて概念が生まれ、存在が生まれる。
つまり「名前をつけられる」ことで初めてこの世界に存在できるということ。人々の認識に昇るということ。

なのでその名前に関しては慎重になるべきであると考える。

 

「障害を作っているのは社会や人々の意識」という意見はその通りだと思う。であるからこそ、じゃあその意識を作っているのは何なのか?を考えるべきではないのか。

その意識を作ってるのは「障害」の概念であり文字である。

「害」というのはネガティブなイメージを持つ言葉である。
その文字を使うことで、障害者に対してネガティブなイメージを植えつけてしまっていないだろうか?障害者は何らかの「障害」を抱えている。つまり「害」を受けている存在というイメージに繋がらないだろうか。「かわいそうだ」という声も聞かれるが、それもイメージから来ているのではないだろうか。

 

個性と障害の違いはどこなのか?

 

そんなことを考えると、個性と障害の境目はあるけれど、個性と障がいの境目はないのではないか。そんなことをふと思うのである。

 

 

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