整形外科クリニックでの臨床雑記②

その1からの続き

バイオメカニクスの考えに凝り固まった僕の臨床であったが、2年目となったある時、患者さんのアプローチをしていてまたふと疑問に思った。
姿勢や動作時のアライメントによって筋緊張は変わるけれど、全身の筋緊張が強い人はそもそもアライメントがどうとかいう問題ではない気がする・・・

そこでなんとなく「自律神経とか関係しているんじゃないか?」と疑問に思い、自律神経についてのアプローチなどを調べていくと「オステオパシー」というワードと出会った。自分自身が幼少期から通っていた治療院もオステオパシー。何かの縁を感じた。

そこで職場の新たに入ってきた先輩に相談した。するとその先輩、何と偶然にもオステオパシーをがっつり勉強していたのだ。

「勉強するにも色々な団体があるよ。自分は〇〇っていうところで学んでいるけど」
そんな情報もいただいたので、その団体の勉強会に通い始めた。

そこから僕の臨床は大きく変わった。歩行分析をしなくなった代わりに、触診に重きを置いて患者さんの身体に触れるようになった。触診を通して、いろいろなことを感じるようになった。(当初は触診能力も低く感覚的な情報を全く拾えずにいて苦労したけれど、ひたすら何年もかけて触診能力を磨き、だんだんと分かることが増えてきたのだった)

症状の発生機序はわからなくとも、相手の身体の構造上の問題点は分かるようになってきた(気がした)。自律神経や血流、細かい靭帯などの解剖学的な問題も捉えられるようになり、臨床で対応出来る患者さんが増えた。

オステオパシーは代替医療であり、その土台となるのは感覚的で主観的な評価・治療であり、代替医療の枠は超えられない。頭蓋、内臓、脳脊髄液などのワードに「怪しいことをしている」というような目で見られることもあったかもしれない。確かに証明できないのにその言葉を用いるのは、正しさを重視した現代では受け入れられずらいものだろう。けれども、オステオパシーの哲学は理学療法士にとって非常に有益なヒトの診方を示唆してくれた。教育で受けてこなかった細かな構造を見る大切さ。一ヶ所の治療が全身にどれほどの影響を与えるかということ。これまでアプローチが出来ないと思われていた不定愁訴などの治療に道筋を示してくれたのである。

 

しかし当然、それだけではすべての患者さんを良くできるわけではなかった。全く徒手療法が通用しない、むしろ徒手療法を行うことで依存を生じさせてしまい逆効果・悪循環に陥る患者さんにも出会うようになった。

 

その3へ続く

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