子どもの体力低下の現状〜将来にどれだけ影響するのか〜

新型コロナウィルスによる外出自粛にて、子どもの体力低下がさらに懸念されます。
幼少期の運動習慣がどれほど将来的に大切になってくるのかをここではお伝えします。

要点

・数年前から子どもの体力低下が指摘されてきている
・昔はなかったような怪我が増え、体力テストの結果も低下傾向
・幼少期の運動不足は将来的にも長期に影響する可能性がある
・コロナによる運動不足が習慣化されるとさらなる体力低下が懸念される

 

子どもロコモ?

数年前から「子どもの体がおかしい!」と整形外科医の間で危惧されはじめました。
「雑巾がけで身体を腕で支えられなくて顔を打った」
「跳び箱を跳ぼうと手をついたら骨折した」
そんな子どもが増えてきていると話題になっているのです。

実際に持久走のタイムなども、昭和後期から平成後期までの40年間でタイムが伸びており、子どもの体力低下がデータとしても確認されています。

整形外科学会ではこう言った背景から、2016年に子どもロコモという概念を提唱しました。

子どもロコモでは基本動作である、
①片脚立ち左右5秒間ずつ 
②肩を180度挙上 
③しゃがみ込み(踵をつけたまましゃがめるか) 
④体前屈(床に指が届くか) 
についてチェックし、一つでもできない項目があった場合に子どもロコモとして運動器機能不全として捉えています。

埼玉県での調査では、このチェック項目が1つ以上できない子ども(小学校5年生)の割合は40%に昇ると言われていて、多くの子どもが子どもロコモに該当すると言われています。

こういった背景も踏まえて、近年では内科検診や歯科検診に並んで運動器検診も学校で導入されるようになりました。

子どもの背景

なぜ子どもの体力が低下しているのでしょうか?
多くの要因が考えられますが、まず代表的なものに「子どもの運動量の減少」があります。

文部科学省の調査では、1979年の時点での小学生の1日の平均歩数は27000歩でした。
しかし2011年の東京都の調査だと11000歩と、なんと半分以下になっていたのです。

走り回れる大きな公園は減り、習い事の低年齢化が進むなどの背景もあり座っている時間が増え、自由に遊び回る時間が減っています。

とある研究によれば、「自由に遊ぶ」のと「運動指導系の習い事」では、自由に遊んだ子どもの方が運動機能が高いというような報告もあります(最も高いのは、それぞれ半々のグループでした)

子どもにとって「自由に遊ぶ」という行為は非常に大切なのですが、習い事の低年齢化に伴い自由に遊べる時間が減ってきているのが現状です。

また核家族化や女性の社会進出に伴い、育児のあり方も変わってきていることが子どもの運動機能に影響している可能性も考えられます(このあたりの話は今後の記事で様々な角度から紹介していきますね)

 

幼少期の運動習慣と将来への影響

子どもの体力低下が問題視され始めて久しいですが、幼少期の運動経験は将来の様々な疾患リスクにつながることも報告されています。
例えば子どもの頃の運動量がそのまま成人後の骨量に関係するなども報告があります。幼少期の運動は身体の器官の発達に大きく影響しますから、骨量や筋肉量に影響することは想像しやすいですよね。
それだけではなく、脳の発達にも関係しますし間接的には全ての器官の発達に影響します。
間接的というのは、運動習慣があることで食事や睡眠の質が高まることが考えられるからです。食事も睡眠も身体の発達には欠かせない要素。俗に言う「規則正しい生活」を作り上げるのに、幼少期からの運動習慣は大切になります。

また幼少期にこうした運動習慣から「規則正しい生活週間」を構築できると、そのまま大人になっても規則正しい生活習慣を継続することが多くなるのではないでしょうか?
そうするといわゆる成人後の「生活習慣病」のリスクを下げることなどにも繋がりますから、これまた間接的に寿命の延伸にもつながってきますよね。
また仕事や生活面においても、運動習慣は大切です。ホルモンや自律神経バランスを整えてくれますから、精神衛生にもよく、仕事へのモチベーションの維持やうつ病のリスクを下げるなどのメンタルコントロールにも一役買います。

これほど幼少期の運動習慣というのは将来の様々なものにプラスに働きかけてくれます。

ただでさえ昭和時代と比べて運動習慣の減少が危惧されていましたが、ここに来て新型コロナウィルスによる外出自粛、休校措置などで子供の運動不足が深刻化しています。
1日に1回でも、できれば2〜3回は、人の少ない公園などで身体を動かす時間を設けていくことが大切です!

新型コロナにかかるリスク(3密避ければ低いです)よりも、身体の発達を妨げ、将来の生活習慣病にも繋がるリスクを高める外出自粛のリスクの方が長い目で見れば圧倒的にデメリットのようにも思ってしまいます。

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