口の発達と全身運動との関係〜カラダづくりにシャボン玉がいい!?〜

こんにちは。ささやんです。

理学療法士として、整形外科でカラダを痛めている方と関わっています。
ここ数年で僕自身が発達に関する学びを深めたことで、臨床現場で多くの気づきを得ています。

その中の一つとして、非常に重大な気づき。それは、
整形外科を受診する患者さんは、口腔機能が低下している人が多い!ということ。

しかもこれは高齢者というよりも、むしろ若い人に多い傾向があります(統計データをとっていないので、あくまでも肌感としてですが)

なぜ口の機能が低いと、カラダを痛めやすくなってしまうのでしょうか?
本日は、口腔機能と全身の関係について紹介したいと思います。

 

口の発達と背骨の発達

発達を考えた際にキーになってくる運動機能の一つは「口腔機能」だと考えます。

子どもが発達するには「よく食べて」「よく遊び」「よく寝る」ことが大切です!
「食」という字は「人を良くする」と書くように、私たちの人生において一生をともにするテーマでもあります。

口腔機能は新生児期から多く使われる機能であり、全身の発達とも関係が深いことが分かっています。

おっぱいを吸う段階の新生児の口と全身
離乳食を開始したばかりの赤ちゃんの口と全身
離乳食が進んで行く過程での赤ちゃんの口と全身
友達とご飯を食べ始める幼児の口と全身
そして思春期、成人期と、口と全身の発達は生涯にわたるものであります。

特に新生児期から幼児期にかけての口腔機能の発達は急激に育つため、幼少期から口腔機能を育てることの重要性が問われています。

そしてこの口腔機能と切っても切り離せない関係にあるのが「全身運動」です。
中でも本日は「背骨」の発達との関係について考えていきましょう。

私たち人間の背骨は「S字カーブ」というように、背中は丸くて首と腰は反っている問いう形状をしています。しかし生まれてきたばかりの赤ちゃんの背骨は、まだS字カーブはできていなくてC字カーブと言われています。

C字カーブをしている背骨ですが、発達とともにS字カーブが形成されていきます。
まずは首が据わり、頚椎が反れるようになってきます。そしてハイハイをしたり歩き始めることによって、腰も徐々に丸まった状態からまっすぐになり、そして3歳くらいには反った状態になると言われています。

これらの背骨の発達と口腔機能ですが、どのように関係するのかイメージできますか?

ではみなさん、口を大きく開けてみてください。
首が少し動くのがわかりますか?

わかりにくい!?
では今度は上を向いた状態で口を開けるのと、下を向いた状態で口を開けるのをそれぞれ試してみてください!
どちらが開けやすくて、どちらが開けにくいかわかりましたか??

そうです。口を開ける時には首は反る。口を閉じる時には戻る。
顎の運動と首の運動は連動するようにできているわけですね。

顎の運動以外にも、舌の運動が全身と関係したりもするので本当に人間の身体は複雑に繋がっているのです(本日はその辺は割愛します)

ということは、例えば授乳中の姿勢や離乳食を食べる時の姿勢が悪かったりすると、口の運動を阻害されてしまって口腔機能の発達を妨げたりしてしまうことも考えられます。

また逆に、口腔機能の発達の問題によって背骨のカーブに影響が出ることもあります。
例えば授乳中に浅飲みの姿勢が続いてしまうと、口蓋扁桃や舌が下がってしまう原因となり口腔機能に問題が生じやすくなります。

すると気道が狭くなってしまうため酸素が十分い取り込めなくなります。
酸素を取り込むために気道を広げようと顎が上がったような姿勢で代償しますが、すると今度は視線が上を向くことになってしまうため、頚椎のカーブを平らにすることで視線を前方に保とうとします。

少し複雑なのでわかりにくいかもしれませんんが、このように人間のカラダはどこかに問題が生じても、目的を遂行するために代償しながら活動します。

他にも昔は哺乳瓶の機能が今よりも悪かったため、それが影響しているのかわかりませんが・・こんな報告があります。
フィンランドのトゥルク大学の研究グループによると母乳育児が2カ月以下だった子供は、9か月以上の子供より、下顎が後ろに引っ込んだかみ合わせ「遠心咬合」となるリスクが4倍高いとの研究結果をまとめたとのこと。
顎の噛み合わせの問題は頚椎の運動に影響することも、先ほどの話から理解できると思います。

このように口腔機能の問題と背骨の問題はそれぞれ代償しあう深い関係性があるので、口の問題は全身に関わる重要なことなのですね。

 

背骨のカーブが大切な理由

背骨のカーブが口腔機能によって失われるという話の例を出しましたが、そもそも背骨のS字カーブがなぜ大切なのかという話をしたいと思います。

一言で言えば、それは「二足歩行で歩くから」という理由です。
背骨がS字カーブになっている動物は人間だけ。それは直立二足歩行をするようになったから獲得された特徴であると言えます。

二本足で歩くようになった人間は、その衝撃を吸収するための構造が必要になりました。
そこで背骨をS字カーブにしてバネの役割を持たせることにしたのです(もちろんそれだけが理由ではないでしょうが、そう言った視点があるという紹介です)

spinedynamics理論というのが理学療法界で提唱されています。
これは背骨のカーブに問題が出ることで、手足などにも大きな負荷がかかりますよという理論です。まだまだ解明されないことも多いですが、研究も少しずつされてきていて、僕自身も患者さんの身体を実際に見させていただく中で非常に納得できる理論であると感じています(ちなみに独学で勉強しただけなので、ちゃんとコースで学んでいるわけではありませんが)

つまり何が言いたいかというと、口腔機能の発達と背骨のカーブの問題は密接に関係している。そして背骨のカーブは成人になってからの肩腰膝などの痛みにも大きく関係するということです。

冒頭でも書きましたが、整形外科で働いていて、若い患者さんを中心に口腔機能に問題がある人が一定数いる印象があります。

高齢になれば老化の影響などもあり身体を痛める人は増えてきますが、若年のうちから身体を痛めてしまう人は、そのような原因があると考えられるわけです。

その一つが背骨のカーブの問題であり、口腔機能の発達が不十分というものなのではないかと考えています。

 

幼少期にたくさんやりたい遊び!

最後に、「じゃあ口腔機能を高めるにはどうしたらいいの?」という声が聞こえてきそうなので、オススメの遊びを紹介します。

幼少期にオススメしたいのは、昔ながらの「シャボン玉」や「吹き戻し」など。
シャボン玉は器用に吐息をコントロールしなければ上手く膨らますことのできない、口腔機能を高める代表的な遊び。

吹き戻しは強く吹く力を育む遊びです。

どこでも安く買えるので、ぜひ幼児期にはたくさん遊べたらいいなと思います(もちろん嫌がる子に無理矢理やらせないでくださいね)

また他にもストローを使った魚釣りやサッカーなど、口を使った遊びはいくらでもありますから色々と考えてみるのもいいと思います。

また先ほどから言うように、口腔機能を高めるために口を使った遊びはもちろんですが、全身の運動が口腔の発達を促す関係性がありますから、満遍なく遊ぶことが大切だと考えています。

 

口腔機能の発達に関しては、本当に奥が深いので今回の記事だけでは全然書ききれません。
今後も定期的に口腔に関する情報もアップしていきますので、宜しくお願い致します。

 

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