「噛まない」「食べない」「偏食する」〜口腔機能発達不全症とその対応について〜

こんにちわ。ささやんです。

先日の記事では、口腔機能が全身にどれほど深く関係するかということを紹介させていただきました。(口の発達と全身運動との関係

そこで本日は、子どもの口腔機能の発達がどのように行われるか?口腔機能発達不全症とは何なのか?どう対処していけばいいのか?についてお伝えしていきます。

お子さんの口の機能を気にかけるきっかけになり、不必要な不安からは解消され、そして口腔機能を高めるきっかけとなるような関わりをもつきっかけになればと思います。

 

子どもの口腔機能が低下している!?

昭和の時代と比べて、日本人の口腔衛生は非常に改善されています。それは虫歯の数が大幅に減少したことが示しています。
歯ブラシの習慣が浸透し、どんなに疲れている日でも寝る前の歯磨きを怠る人は少ないのではないでしょうか?これは歯科医師さんや歯科衛生士さんの並大抵でない努力の賜物ですよね。

しかし虫歯の数は減ってきたものの、今度は口腔機能の低下というものが目立ってきています。

H27年の日本歯科医学会の調査によると、子どもの食に関する相談内容として多いのが
「よく噛まない」
「時間がかかる」
「偏食する」
といったものであり、これらが現代の日本における重要課題となってきています。

口腔機能の低下は、前回の記事でもお伝えしたような全身運動機能の低下にも関係しますし、また低栄養やオーラルフレイルといったものへと繋がってしまいます。

なぜこのような口腔機能の低下が起こっているのでしょうか?
そもそも口腔機能低下の判断はどの辺を見ていけばよいのでしょうか。

そんなポイントをお伝えします。

 

時代背景の変化

この病名自体が2018年に作られたものなので、昔と比べてデータとして判断することが難しいですが、なぜ近年は口腔機能の低下が増えているのでしょうか?

一つの理由に、食の欧米化や精製の問題が挙げられるのではないかと考えられています。
和食は玄米を中心に根菜類など繊維質のものが多く含まれます。当然その分たくさん噛まなければ嚥下することができません。
しかし近年は食の欧米化により、麺類やハンバーグなどあまり噛まなくても飲み込めてしまう食事が中心となりつつあります。

主食であった玄米も現在は精製された白米に置き換えられて柔らかく、噛む必要性がなくなっています。

人間が食事の時に咀嚼する回数も、時代とともに変化しているとの指摘があります。
弥生時代には1回の食事の時間は1時間ほどで、咀嚼回数は4,000回
戦後すぐの時代は食事時間が20分程度で、咀嚼回数は1,400回
そして現代は食事時間は10分程度で、咀嚼回数は600回というような指摘もあります。

適切に咀嚼を行うことで、ヒトの顎口腔機能や全身の運動機能は発達します。そう考えると、この咀嚼回数の減少は、口腔機能の発達を妨げる大きな要因なのではないでしょうか?

 

口腔機能発達不全症とは

15歳未満の子どもにおいて、定型発達と言われる子供が獲得しうる口腔機能を獲得できていない状態の場合「口腔機能発達不全症」と言います。

これは咀嚼や嚥下機能の低下、構音の異常、口呼吸などによって、食べる機能や話す機能、その他の機能が十分に発達していない状態のことを言います。

診断にはチェックシートがあり、この項目(C1〜C12)のうち、2つ以上に該当する場合に歯科医師が診断します。

この項目の中身を見ると、食事や会話(発語)の際に気になることがないかをチェックしていますね。チェックシートはあくまでも専門家向けのものなので、難しいと感じる場合はこのようなことが気にならないかをチェックしてみてください。

  • 歯並びが悪い
  • 固い食べものが嫌い
  • ほとんど噛まない
  • なかなか飲み込まない
  • 口が開いている
  • 口がへの字
  • 唇が厚ぼったい
  • 話す時や食べる時に口から舌が出る
  • ヨダレが気になる
  • 口から食べ物がよくこぼれる
  • 口呼吸
  • いびきをする
  • 滑舌が良くない
  • 猫背
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌が短い

こういったポイントできになる項目が多い人は、小児歯科に力を入れている歯医者さんに行って相談してみてくださいね。早めに対処することで、口腔機能も改善できるものです。

また専門の歯科医に聞くのが一番だとは思いますが、中々通う時間がないという人のために口腔機能をかいぜんさせるためのポイントをいくつか紹介したいと思います。参考にしてくださいね!

 

口腔機能を改善するポイント

口腔機能を改善するためには、大きく分けて「生活の工夫」と「機能改善のための取り組み」があります。生活に工夫とは、普段何気なくやっていることを少し工夫するというもの。

例えば
・子どもの咀嚼機能に合わせた食形態にする(切る大きさや茹でる時間など)
・水やお茶を食事の時に多く与えないようにする(流し込ませない)
・食事中の椅子の高さをしっかり調整する(姿勢正しく食べれる環境を)
などがあります。

何気ないいつもの日常を少し工夫するだけでも、機能の発達は大きく変わってきます。
日々の積み重ねが子どもの癖を作っていきます。

また機能改善のための取り組みとしては
・口腔周囲の筋肉の運動(口を動かす)
・口腔だけでなく、全身運動を満遍なく行う
・指しゃぶりや頬杖などの癖を直す
・口を使った遊びをする(シャボン玉、吹き戻しなど)

このような取り組みを意図的に行うことでも、口腔機能の発達は促せることでしょう。
もちろん年齢によっては難しいこともありますし、本人が嫌がっているのを強制させることでデメリットもありますので、慎重に行ってくださいね。

子どもの口腔機能は一生涯続く大切な機能発達です。
工夫しながら、今より少しでも悩みが軽減したら幸いです。

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